今月のブログテーマは「老後に備えての資産作り」です。公的年金(老齢厚生年金や老齢基礎年金)だけでは不足すると言われている老後の年金に不安を抱いて、貯蓄を増やすにはどうしたら良いかという相談が多くあります。
今回は初心者向けの積立投資などを中心にご紹介します。
1.老後の年金生活に不安があるけど、貯蓄ができなくて大丈夫?
老後に公的年金だけでは2000万円不足するという「2000万円問題」は、妻が専業主婦のモデルケースで試算した場合で、夫婦共働きで二人とも30年以上厚生年金(公務員では共済年金)に加入しているケースなどでは、それほど心配いりません。
ただ、ゆとりのある老後(夫婦二人で35万円/月、生命保険文化センター調べ)を送るには、「老後に向けての資産作り」は重要です。
2.個人年金保険、iDeCo、つみたてNISAなど、どれが良いの?
「老後に向けての資産作り」ではいろいろな方法がありますが、代表的なものを3つ紹介します。
1.個人年金保険
生命保険会社で加入して、毎月保険料として5千円~5万円程度を払い続け、60歳や65歳から年金として10万円/年~100万円/年程度(保険料や払込期間、年金受取期間などによって違う)を受け取る積立型年金保険です。
一時金としても受け取れます。利率は良くありませんが(年0.15%程度)、確定年金の場合(保険会社の運用で変わる変額年金もある)は受取額が決まっているので安心です。ただし、途中解約すると元本割れします。
2. iDeCo(個人型確定拠出年金)
証券会社や銀行などの金融機関に専用口座を設けて、毎月1.2万円~6.8万円(会社でのDCやDB加入可否、自営業者、専業主婦などの条件によって違う)を投資信託などの購入にあてると、積立額と運用益を60歳(~70歳までの間)から一時金や年金で受け取れる制度です。
10年間は積み立てなければならないので、50歳を過ぎてからの加入では、61歳以降の受け取りになります。
税金面ではかなり優遇されています(後述)が、60歳になるまで引き出すことができません。
3.つみたてNISA
「NISA」と「つみたてNISA」がありますが、両方同時に加入することができず、「老後に向けての資産作り」では「つみたてNISA」をお勧めします。
証券会社や銀行などの金融機関に専用口座を設けて、投資信託などの購入にあてます。加入して20年間、年間40万円(毎月の場合33,333円)までの積立投資に対して運用益が非課税で、いつでも引き出すことができます。購入できる投資信託の種類は限られていますが、すべて金融庁が指定したもので、比較的安全に運用益を増やすことができます。
3. 税金面ではどれが一番得するの?
税金面で一番得なのはiDeCoです。掛金はすべて所得税と住民税の控除対象となり、運用益は非課税です。また、一時金で受け取るときは退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除があります。
ただし、口座開設料として2,829円、口座管理料として毎月237円(金融機関によって違う)がかかります。
個人年金保険は条件がありますが、年間最大4万円(平成23年12月までに加入したものは5万円)、所得税と住民税から保険料控除できます。
つみたてNISAは運用益が非課税です。口座開設料や口座管理料などはかかりません。
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