今年に入ってから、米国株価をはじめとして世界の株価が大きく下落しました。
特にハイテク株が多いナスダック市場で大きく下落しました。この下落の主な原因は以下の3つです。
1.オミクロン株の世界的流行による経済活動の停滞
2.ロシアのウクライナ侵攻への地政学的リスク
3.米国FRBのインフレへの対応策として、利上げなどの金融引締め策
また昨年1年間での株価上昇が異常に大きかったことから、その反動もあるでしょう。
ただし直近では、2月に入ってからの米国株価の動向を見ると、底を打って上昇に転じているようにも見えます。(図1、図2)
この理由としては、以下が考えられます。
1.オミクロン株の重症化リスクが少なく、日本を除く世界各地で3回目ブースター接種が進んでいることから、規制緩和による景気の持ち直しがみられる。
2.米国やヨーロッパ各国のロシアに対する経済的制裁圧力や天然ガスパイプラインの問題回避などにより、ウクライナ侵攻への懸念が薄らぎ、楽観的な観測がでてきた。
3.メタ(旧ファイスブック)やNETFLIXなどを除き、グーグルやアマゾン、アップルなどの主要なハイテク企業の業績が過去最高と非常に良かった。
しかしながら、FRBの3月からの利上げによる影響、原油価格の上昇とそれに伴う物価高の影響、ロシアとウクライナの突発的な軍事衝突リスクなど、まだまだ予断を許さない状況にはあります。
今後の見通しですが、新型コロナの規制緩和に伴う個人消費の伸び、ハイテク企業を中心とした企業業績の好調さなどから、おおむね良好であろうと予測します。
図1.直近1年間のS&P500指数 (楽天証券マーケットからの抜粋)
図2.直近1年間のNASDAQ指数 (楽天証券マーケットからの抜粋)
また、米国株価の上昇トレンドも大きくは変わらないでしょう。(図3,図4)
ただし、まだまだ短期的な下落リスクはあるので、積み立て投資によるリスク分散で備えておきましょう。
図3.直近5年間のS&P500指数 (楽天証券マーケットからの抜粋)
図4.直近5年間のNASDAQ指数 (楽天証券マーケットからの抜粋)
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