平成から令和へ時代が変わった2019年もあと少しで終わろうとしています。今年、皆さんはどんな1年でしたか?
さて、公的年金だけでは老後2000万円不足するという話題。まだまだ尾を引いていますね。
日本はすでに先進国ではないとか、置いてきぼり日本とか、とにかく将来の不安を増幅させるような話がたくさん聞こえてきます。少子高齢化により年金財源は年々厳しくなっていくという指摘もあります。
そんな中、政府は公的年金制度改革案の検討行い、5日に改革案が固まりました。今回は、この年金改革案をご紹介し、私たちの老後にどのような影響があるかわかりやすくご紹介します。
政府の主な改革案は以下の三つです。
■ 厚生年金加入対象の拡大(やっぱり従業員はお得です!フリーター・パート・アルバイトの方必読)
フリーターやパート・アルバイトで勤務する従業員は厚生年金に加入している人が少なく、将来受け取る年金が国民年金だけだと最大で約6.5万円/月しかありません。
これでは老後に生活するお金が足らないので、厚生年金の加入対象範囲を広げて、老後に厚生年金も合わせてもらえる人を増やそうという意図です。
[現 在]
①従業員501人以上の企業に勤務
②週20時間以上働く
③賃金がひと月8.8万円以上
などの要件を満たせば厚生年金に加入できます。
[改革案]
①企業規模を2022年10月から従業員101人以上
②2024年10月から従業員51人以上に順次引き下げ対象範囲を拡大
パートで働く主婦では、厚生年金に入りたくないためにわざわざ働く時間を減らす人もいますが、残念です。
厚生年金の掛け金は労使折半と言って、企業も半分払っていますので、従業員にとってはお得な制度です。
■公的年金受給開始年齢の上限拡大(そろそろ受け取りの方必読)
[現 在]
公的年金を受け取る年齢は原則65歳からですが、60歳~70歳の間で繰り上げ、繰り下げができます。
[改革案]
この範囲を60歳~75歳に拡大するのが今回の改革案です。
成28年の日本人の平均寿命は男性で81歳、女性で87歳です。
これからすると75歳まで待って年金を受け取り始めるのは損な気がしますが、寿命は毎年伸びているのと、65歳時点での平均余命では男性19.55 歳、女性24.38歳ですから、90歳以上まで生きる可能性を考えると、75歳まで待ってから年金を受け取るのも意味があるかもしれません。
何しろ、年利8.4%で年金額は増え、増えた年金額は一生変わりません。それに年金の受け取り開始は1か月単位で変えられるので、65歳を過ぎたら待てるだけ待ってからもらい始めるのも一つの方法でしょう。
■在職老齢年金の見直し(60歳超シニアでまだまだ現役の方必読)
現在の在職老齢年金
60歳以降も働いている場合厚生年金と賃金との合計が
①60歳~65歳で月28万円を超えると年金が減額
②65歳以上では月47万円を超えると年金の減額
改革案
①60歳~65歳でも月47万までは年金の減額を行わない
②65歳以上では現在の制度と変わりません。
この制度の見直しでは、当初減額する基準を月62万円とする案でしたが、反対意見が多く月51万円に引き下げ、それでも批判する意見が多かったところから47万円になったという経緯があります。
厚生年金の支給開始年齢は順次切り上げられており、男性では昭和36年4月2日生まれ以降、女性では昭和41年4月2日生まれ以降の人では原則65歳からしか支給されません。この改革案がどれだけ効果があるか疑問です。
今回の改革案では、年金支給額を抑える「マクロ経済スライド」の強化は見送られたとありますので、持続性のある年金制度の見直しには程遠いと言えるでしょう。
時間は刻々と過ぎていきます。
すでに受け取っている方は、年金寿命をいかに伸ばすか?これから準備を考える方は、手元に入ったお金をどう守り殖やすか?を考えて行けば良いのです。
何もしなければ、先細りの将来かもしれません。
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