先日、火災保険が5年満期を迎えて、その火災保険を扱う代理店の担当者が更新のため拙宅を訪ねてきました。 地震保険の掛金が前回と比べ2倍くらいに上がっているのに驚きながらも契約更新の手続きをおこないました。更新契約後に、担当者から外資系の某保険会社で扱っている「外貨建て一時払い養老保険」を勧められました。 聞くと一見良さそうに見える保険ですが、リスクが大きく、注意すべき点がたくさんあるので、それらをブログにまとめました。 なお、私はこの保険への加入を断りました。
●新NISAでは、積立投資と一括投資が非課税枠で同時にできる
米国や欧州などの中央銀行ではインフレ対策として4.5%~5%を超える高金利政策をとっていて、すべての金利が高止まりしています。
日本では日銀が金融緩和策を継続していて、円安が進み我々の生活はさらに苦しくなっています。
しかし、先日日銀でも金融緩和策は変えないものの、長期国債の金利を従来の0.5%から1.0%を目途(1%以上を容認)とする方針に変えました。
これに伴い、長期国債の金利は上昇し、0.9%を超えるまでになっています。この影響は各種金利の上昇を引き起こし、三菱UFJ銀行では10年定期預金の利率を何と一気に100倍の0.2%/年にしました。
他のメガバンクもこれに追従しています。
また、個人向け国債の利率や住宅ローンの固定金利もじわりと上昇しています。今後日本では欧米並みに高金利なるとは考えにくいですが、わずかずつ徐々に上がってくる可能性は否定できません。
最近では利率の良い外貨建て金融商品の勧誘が増えているようなので、今回の「外貨建て一時払い養老保険」を例に気を付けなければならない点をまとめてみました。
●外貨建て一時払い養老保険とは(仕組みについて)
外貨建て生命保険とは、払い込む保険料は円貨で払い、保険会社でそれを外貨に換えて海外で運用し、保険金や配当金などを支払うときには、保険会社が外貨から円貨に戻して支払う保険です。
外貨の種類としては米ドルが多いのですが、他には豪州ドルや新興国通貨などもあります。
外貨の種類によって金利は大きく違いますが、リスクも大きく異なります。
生命保険の種類としては、補償期間が一生涯の「終身保険」、補償期間が20年や65歳までなどの「定期保険」、満期に満期金が戻る「養老保険」などがあり、保険料を最初に全て払ってしまう支払方法を「一時払い」と言います。
●20年満期の一時払い米ドル建て養老保険
保険代理店の担当者が勧めたのは「20年満期の一時払い米ドル建て養老保険」で、「年利5%の利率で毎年配当金が支払われ、この利率は20年間変わりません。もし1,000万円の保険に加入いただいた場合は、一年で50万円の配当金が支払われることになり、資産運用としてもお得です。」というものです。
しかし、この説明は為替リスク(為替変動)や為替手数料を説明しておらず、正しくありません。
外貨建て保険だけでなく、外貨預金や外国債券などで資産運用する場合も、同様に為替リスクや為替手数料を考慮する必要があります。
●為替リスクや為替手数料、税金など
外貨建て金融商品で資産運用する場合に注意すべき点をまとめてみました。
①為替変動を考慮する
現在の為替レート(米ドル/円)は1ドル=約150円で円安と言われていますが、3年前の2020年11月では1ドル=約103円でほぼ現在の3分2、円高だった11年前の2012年11月では1ドル=約77円でほぼ半分でした。
仮に満期の20年後に為替レートが1ドル=110円であると仮定すると、満期金1000万円は、約730万円に目減りしてしまいます。
(1ドル=110円は3年前~7年前の為替レートの平均値)
1000万円÷150円=66666.67ドル(米国内) → 66666.67ドル×110円=733万円
②為替手数料を考慮する
円貨を外貨に換えるとき、または外貨を円貨に換えるときには為替手数料がかかります。
これは銀行などの金融機関に支払われるもので、各金融機関によりそのレートが違いますが、1米ドルにつき1円かかる場合が多いです。
米ドルが一番手数料が安価で、他の通貨では1通貨につき5円以上かかる場合もあります。
③税金(所得税)
日本で配当金を受け取るには所得税(20.315%)がかかりますから、配当金など毎回この所得税を引いた金額が手元に入る金額となります。
もし外国債券や海外の株などで運用益を得た場合には、その国の外国税がかかる場合もあります。
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