年が明けて2023年1月となり、今年の市場予測(概要)と税制改正のポイントを取り上げます。税制改正については、ポイントのみを列挙しますが、重要な改正内容については改めて詳しく解説する機会を儲けたいと思います。
●今年の市場予測(概要)
昨年は、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇や、食料や原材料の価格高騰を主な原因として、世界中で異常なほどのインフレとなりました。
日本を除く各国中央銀行はインフレを抑えようとして政策金利の大幅利上げをおこなっており、市場では今後の経済停滞を予測し大きく下落しました。
今年の世界経済は市場の予測通りとなりそうです。
すでにアマゾンを初めとして大手IT企業では大幅なリストラが始まっており、世界経済に対して深刻なダメージを与えるリスクがあります。
今年の前半は昨年同様に不安定な市場の動きとなるでしょう。しかし、各国中央銀行は利上げを今年前半でストップし、一部利下げに転じると思われます。
市場は半年先を予測して動くため、2024年の経済回復に期待して後半からは持ち直し、上昇傾向になるのではないかと予測しています。
●税制改正のポイント
2022年12月22日公表による「令和5年度税制改正大綱」から、私たちの暮らしに身近な改正ポイントを列挙し簡単に解説します。
1.新NISA制度 投資限度額が大幅に拡張され令和6年から施行されます。つみたてNISA枠は年間120万円、成長投資枠(従来の一般NISA)は年間240万円となり、併用が可能となりました。また非課税期間が無期限となります。しかし、富裕層への優遇措置と捉えられることから、生涯の投資上限額が1800万円となり、成長投資枠では全体の3分の2の1200万円までとなっています。
2.空き家に係る譲渡所得の3000万円特別控除の特例の見直し・延長 空き家を売却して得た譲渡所得は3000万円まで所得税がかからない特例がありますが、この特例制度の適用期間が4年間延長されます。
3.相続時精算課税制度の見直し 従来の相続時精算課税制度では、この制度を採用すると暦年課税の基礎控除110万円が受けられず、贈与があった場合は必ず毎年申告する必要がありました。それが、基礎控除110万円までは贈与税がかからず、申告する必要もなくなります。また、相続時の財産評価では、贈与時の時価から災害により被害を受けた金額等を控除できるようになります。
4.暦年課税における相続開始前贈与の加算期間の見直し 暦年課税において相続開始前に贈与があった場合には、3年間は遡って相続財産に加える必要があります。その加算期間が3年から7年に延長されます。ただし、経過措置として、相続前贈与加算期間が令和9年から1年ごとに順次延長されます。
5.教育資金の一括贈与の非課税措置の見直し・延長 節税目的の税制を見直し、適用期間を3年延長します。
6.結婚・子育て資金の一括贈与の非課税措置の見直し・延長
節税目的の税制を見直し、適用期間を2年延長します。
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