1年前には新型コロナウイルスの脅威を誰も知ることができず、世界経済はほぼ順調に推移するだろうと予測されていました。日本ではオリンピック・パラリンピックの開催により、世界中から観光客が押し寄せて、インバウンド需要による景気拡大が期待されていました。しかし新型コロナウイルスの猛威により世界経済は真逆の方向に進みました。
日本でもその影響は甚大であり、今年の1月7日には感染第3波による再度の緊急事態宣言が発出されました。
1.今年の経済は?
新型コロナウイルスのワクチンが開発され、イギリスやアメリカなどではワクチン接種が始まっています。日本でも2月末あたりから接種が始められるように政府は米ファイザー社などの製薬会社に働きかけているようです。しかし、このワクチンによる感染者数減少の効果が表れるのは今年半ば以降で、あと半年は少なくてもこのような経済活動の停滞が続くと見られ、1月~3月期の景気判断ではGDPを2.4%ほど押し下げると予想されています。
2.オリンピック・パラリンピックは開催される?
「新型コロナウイルスの影響は全世界に広がり、その収束は見えていません。
このような状況下でオリンピック・パラリンピックは本当に開催されるのだろうかと危惧されます。半年後に先進国でワクチン接種による感染者の減少がみられたとしても感染前の様には戻りません。また新興国ではほとんど期待できません。
それでも競技選手のため開催されるかもしれませんが、無観客か観客人数を少なく限定するでしょうから、もともと期待していたインバウンド需要は見込めません。
3. 株価の動向は?
しかしながら、日経平均株価はバブル崩壊後30年ぶりの最高値を更新して3万円台に迫ろうとしています。アメリカのダウ平均株価やナスダック指数も連日大幅に上昇し、これまた史上最高値を更新しています。なぜこのような経済状況のなかで株価が上昇しているかの最大の原因は、世界中の中央銀行による金融緩和にあると思われます。
市場金利をゼロやマイナスにして資金を借りやすくし、かつ債券やETFを大量に購入することで市場にお金を大量にバラまいています。この有り余るお金で内外の機関投資家や投資会社などが株購入へと向かっているのです。今年の株価の動向を占うと、年の初めでピークアウトしてやや調整し、後半にはさらに株高になるのではないかと思います。
4. DXの普及とグリーン化技術への期待
このようなコロナ禍にあっても、DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及やグリーン化技術へは期待が持てます。政府はデジタル庁を設立してDXの普及を一気に促進する構えで、テレワークやリモートオフィスなどのIT環境も整っていくと思われます。またグリーン化技術としてはCO2削減によるEV車へのシフト、プラスチックごみのリサイクル技術などが注目されています。
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