少し早いかもしれませんが、法改正で今年の4月1日から私たちの身近なとこ
ろでいろいろと変わるものがあります。知っておきたいトピックスを短くまと
めました。
1.パートタイム・有期雇用労働法の改定
「同一労働同一賃金」という言葉をご存じですか?。今までは同じ会社で働
いている正社員とパートや有期雇用など非正規労働者との間で差別がありまし
た。たとえば、同じ仕事をしていても正社員のほうが「基本給」や「賞与」で
優遇されたり、「手当」や「福利厚生」で待遇に差があったりしました。これ
を禁止し、同じ職務内容なら同じ待遇にしなさいという法律が4月1日に施行さ
れます。(注:中小企業では2021年4月1日)
2.民法(債権法)の大改定
4月1日に120年ぶりの大改定と言われている改正債権法が施行されます。現
在の社会や経済状況に照らし合わせて、広範囲に改定されていて、そのうちの
二つを紹介します。
①保証人の保護
保証人の保護を目的に、債務を保証する契約には上限額を定めなければなり
ません。たとえば、アパートの賃貸借契約では借り手に保証人を立てることが
多いのですが、この保証人が保証する金額に上限額を設けないと契約自体が無
効になります。
また、事業主が銀行などから資金を借りる時にも保証人が必要ですが、事業
が破綻した場合等に保証人が多額の債務を背負うことにならないように、公証
人による保証意思確認の手続きが必要になります。
②「約款」を用いた取引
みなさん、スマホを購入するときに「約款」という小冊子を渡されますね。
これは販売会社と顧客との間の取引に関する契約書ですが、いちいち全文を読
んでから購入する人はいません。
不特定多数の顧客と同じ内容で取引を行う際に、詳細な契約条項を定めたも
のを「約款」あるいは「定型約款」と言います。この「約款」に書かれている
内容で顧客の利益を害する条文があると、それは無効となります。また、内容
を変更する際は、顧客に有利な変更か、諸事情に照らして合理的な変更のみ認
められます。後者の場合は事前にインターネット等を用いて変更内容を顧客に
周知させる必要があります。
3.改定民法(相続法)の施行
平成30年7月6日に民法(相続法)の大改訂がありました。改定内容はたくさ
んあるのですが、最大のポイントとなる配偶者短期居住権と配偶者居住権が4
月1日から施行されます。
被相続人(亡くなった人)と一緒に住んでいた配偶者は、6か月間か遺産分
割協議が終わるまで無償で住み続けられる権利(配偶者短期居住権)が与えら
れ、さらに住み続けたい場合は従来より有利な条件で一生住み続けられる権利
(配偶者居住権)も得られます。
4.受動喫煙防止法(改正健康増進法)の全面施行
厚生労働省は、今まで努力義務だった受動喫煙防止法を義務化し4月1日から
全面施行します。公共施設や公共交通機関はすべて禁煙となり、喫煙すると罰
せられます。今まであった喫煙車両は全てなくなるんですね。
東京都も受動喫煙防止条例を4月1日から施行します。国の規制よりもさらに
厳しく、84%の飲食店が禁煙対象となります。
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